「自宅で最期まで」!はたして可能か
三重県の「保健所・市町・場所別死亡者数」という平成29年度の死亡者数とその場所に関するデータがある。
「住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう」というのが地域包括ケアシステムの目指すところである。
しかし、上の表で見る限り、この地域で「自宅で最期まで」というのはなかなか難しそうである。圧倒的に病院での死亡が多いのがこの地域の特徴なのだ。最期は病院で、というのがこの地域の常識なのかもしれない。「最期まで家で」と思っている人にとっては厳しい数字である。特に施設でのそれが極めて少ないのは、この地域の老健施設や老人ホームではほとんどといってもいいほど看取り介護というものが行われていないことを示している。全国的な統計では施設で亡くなる人の比率が急速に増えている中で、この数字はやや異様なものに思える。
ケアプランセンターあすかのケアマネジャーは「最期まで家で」と希望される方には、なるべくその願いが実現できるように支援している。ちなみに、この年にケアプランセンターあすかで行ったケアマネジメントの終了ケースのうち8%が在宅死亡であった。