八十路の挑戦【Ⅳ】
【4】脳梗塞の後遺症を自力で克服した堀尾氏との出合いについて
平成30年の11月中旬のことでした。吉野熊野新聞に「12月8日に天女座で脳梗塞の後遺症を自力で克服した、堀尾氏の講演がある」という記事を見つけました。
それを、娘に見せたところ、堀尾氏の携帯電話の番号を見つけた娘が、早速、電話をしました。夜の10時を過ぎていましたが、有り難いことに丁寧に対応して頂きました。
そして、12月23日には仙台で、24日には福島県二本松市で開催することを教えて頂くと共に、事務局との連絡をも取っていただきました。
翌日、FAXで参加申し込みをしました。
その24日の当日には、娘の運転で茨城県鹿嶋市を早朝に出発して、福島県二本松市の交流会館まで5時間かけて行きました。
二本松市の交流会館では、20数人の方が参加していました。その中の70過ぎの男の方が発症から12年を経過しておられましたが、拘縮した指にコルセットを装着して、わずか2時間で指が動いたのを目の前で見ることが出来たのです。
早速、堀尾氏のご都合を伺い、快諾いただきましたので、帰りの車に同乗して頂き、自宅近くのホテルに宿泊して頂きました。
堀尾氏に翌日から3日間自宅にお越し頂いて、ご指導を仰いだのでした。
堀尾氏は、「筋肉も骨も異常がないのです。ただ、脳細胞の一部が突然の血液不足のために壊れてしまったのです。」「しかし、脳はそんな時に働くために、95%が使われずに待っているのです。」と言われるのです。
「自分の意志で指を動かすことで、健常な部分が手助けをするようになるのです。」「その脳からの信号をつなぐためには、何千回、何万回もの信号を送らなければなりません。」とも伺いました。
堀尾氏が自力で脳梗塞の後遺症を克服されただけに説得力があることに感銘しました。
なお、堀尾氏は「脳梗塞は人生のご褒美です」と言われましたが、それは、「一日毎に少しずつ回腹する喜びを体験できる」ことです。
わたしは、その後堀尾氏にご指導頂いた訓練方法と先生の著書を参考にして日課表を作りました。それにつきましては次の章で述べさせて頂きます。
その表題には、【堀尾式訓練日課表】―治ると信じ「動いて!」と念じて頑張る!!
―不屈の精神、実践あるのみ、手の訓練は休憩時絶えず行う。―と記しました。
回復の状態は「年齢や発症後の経過年数に関係なく治る。」と言われるのです。
わたしは、現在80歳です。訓練日課表に従って、訓練を継続して行っております。
発症から2年半が過ぎておりますが、効果は確かに表れてきておりますので「自分の努力次第である。」ことを肝に銘じて、回復を信じ、希望を持つことが出来るようになりましたので、今回の「一人生活」に踏み切ることが出来たのです。
なお、熊野に帰る1ケ月前の3月30日には自宅指導を受けてから4ケ月後の「回復の状況」を見て頂くために、長男の車で前日に二本松市に出かけ、1泊して実践研究会に出席したのでした。
そこで、堀尾氏についてもう少し記述させて頂きます。堀尾氏は、岐阜のご出身でご家族も岐阜におられます。しかし、沖縄の宮古島で実践指導の施設を無償提供される方がみえて、そこを拠点にして全国にご指導に出向かれておられます。
人は、使命感・宿命を持ってこの世に生まれてくると言われます。
堀尾氏が、脳梗塞で意識不明の時に、「あなたは、まだやることがあると言って、追い返された」と伺いました。「脳梗塞の麻痺で困っている人を助けなさい。」と言われたのだと思います。
さすがに、堀尾氏に最初に娘が電話をさせていただいた時も、夜間でも丁寧に応対して頂き、世話係の方への連絡をも付けていただきました。
さらに、お会いして感じたことは、非常に温和で優しく、丁寧にご指導いただきました。
自宅でご指導いただいている時にも、携帯電話がかかり、千葉県からお父さんに車に乗せてもらって来られた方がみえましたが、直ぐにご指導いただいたのでした。
2日間自宅でご指導いただき、3日目は千葉県の美術館にご一緒したのですが、堀尾氏が使命感をもって訓練指導に熱中されておられるご様子が、至る所でひしひしと伝わってきたのでした。
先日のことですが、堀尾先生から電話を頂きました。福島県二本松市の文化交流会館の吉井さんから連絡をもらったとおっしゃって、お電話をくださいました。
先生は現在、東京・東北・北海道の10数ケ所で講演・実践指導の予約があるとのことでした。
これだけ回復の効果が表われているにもかかわらず、脳梗塞の専門医は、治った事実を伝えると「それは、もう治る時期が来ていたのだろうとか、治った人は後遺症が軽かったからだろう。」などと言って、相手にしてくれないらしいのです。
しかし、最近、テレビで専門医が、MRIで患者の脳を写しながら指を動かして、脳の一部に変化があることを放映するのを見られた方もおられるのではないかと思います。
専門医の中には、脳の異常に気づき始めた医師もいるのではないかと思います。
つまり、脳梗塞の麻痺はリハビリによって筋肉や骨へマッサージではなく「大事なことは、自分で手足を動かすことによる脳への刺激であること」に気づいてきたのではないでしょうか。
わたしは、お蔭で2年半のリハビリでも動かなかった指が堀尾先生のご指導によって、4ケ月の自主訓練で「握りしめた指も伸び、動き始め」ました。
足首はリハビリ病院で金具で固定していた装具を取り外し、不安定ながらも、杖なしで50mは歩くことが出来るまでに、恢復することが出来たのです。本当に有難いことです。
もう「生涯、車椅子生活だ。」と思っておりましたが、夢のような回復です。
さらに、今後の訓練次第で、かなりの回復が期待できると思っております。
脳梗塞の後遺症で悩んでおられる方々と、今後、ご一緒に訓練ができることが、わたしの残された人生の「いきがい」です。
「脳梗塞の後遺症」は治るのです。元気を出して、ご一緒に訓練しませんか。もし、先生に直接ご指導をお願いしたいと思われる方はご連絡ください。宮古島まで出向いて指導を受けてこられた天女座のご主人とも相談して、お招きしたいと思います。