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ケアマネのつぶやき

ケアマネジャーと利用者の関係

ケアマネジャーと利用者の関係を一言で表すことは大変難しい。ケアマネジャーは介護保険上、介護支援専門員という。文字通り、介護を支援する専門員なのである。よくできた名前だと思う。したがって、介護保険利用上の利用者と専門家との関係である。やや難しく言うと専門的援助関係という。決して親戚でも友人でもないことは確かである。しかしこの専門的関係は極めて属人性の高い関係である。利用者ÅとケアマネジャーBの関係の中で行われるケアマネジメントは、すぐにケアマネジャーCに代われるものではない。ケアプランセンターあすかで長年働いているケアマネジャーは何人かいるが、その利用者とのかかわり方はまさに十人十色と言ってもいい。そのケアマネジャーの人格が強く反映されるし、そのケアマネジャーと利用者の中で醸し出されるものも自ずから異なったものとなる。こうしたケアマネの仕事を沖藤典子は「人格専門職」といっている。

またこうした特徴を持つ関係であるから、そこには相性というものがあるのは確かで、「合う」「合わない」というものがある。したがってここはお互いに無理をする必要はなく、「合わない」と感じれば、その関係の交代を求める方がいいといえる。だから利用者は遠慮せずに「ケアマネを変えて」と言っていいのである。ただし、ケアマネジャーが「変えてください」と言えるかどうかというと、それはそれで別の難しい問題があったりする。

こうした属人性を持つケアマネジャーの仕事は、一方で業務の標準化を求めるものともなる。標準化は対人援助の専門性を担保するものとして必要であると考えるが、その対象とするものの多様性からか、いまだに実現していない。しかし今後ケアマネジャーの実践の蓄積とAIの進化が進めばそれも可能になるのではないかと考えている。

話をケアマネジャーと利用者の関係に戻そう。ケアマネジャーが利用者に共感し、権利と資源を手に入れにるために共に考え、戦い、大変な状況になったときに側にいてくれるこうした関係を伴走者に例えることがある。そうしたケアマネジャーでありたいと、私も考える。しかし、ともするとそれは援助する側とされる側という上下関係を生み出す可能性を秘めている。いわゆる情報の非対称性といわれるものに起因するものである。その結果、依存的な利用者に貶めるこの危険性に対してケアマネジャーは十分に配慮しなければならない。

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