かけがえのない宝物ー2
――看取りを考える2――
担当しているご本人やご家族が「最期は自宅で」と決められた時から、ケアマネジャーにも、看取りの場に関わるお役目が始まります。
看取りまで在宅で介護をするとき、介護に携わるご家族には、毎日二十四時間の介護という、精神的、肉体的な力が求められることになります。最期が近くなって、ご本人の状態が日一日と変化するようになると、疲れは増して、それに合わせてご家族の気持ちが揺らいだり、時には体調を悪くすることもあります。
特に近年は、子供がいても遠方で、老夫婦の核家族であったり、少子高齢化という世相の中で、高齢の配偶者が連れ合いを、一人娘・息子が両親を、介護する家庭も珍しいことではなく、複数の介護者がいる家庭ばかりとは限りません。
それでも在宅での看取りを選択されるのは、「住み慣れた家で死にたい」というご本人の希望と、それを叶えてやりたいというご家族の思いです。
自分がしんどいことは覚悟の上で、最期まで在宅で看ようと決めたご家族の、一番の願いは、ご本人が痛みや苦しい目に会わずに、安らかに見送ることができるように、そしてなによりの喜びは、本人の笑顔や安堵した様子を見る時です。
そのような在宅での看取りに、介護する家族を支える大きな力を発揮するのは、訪問診療をしてくださる先生をはじめとした医療・介護の支援チームです。
ご本人やご家族の体や心の変化を見逃さないように、情報を伝えあい、チームワークと連携プレイでそれぞれの役割を果たして、在宅での介護と看取りを支援する役割。
そのチームは、訪問の依頼を受けたときにはじまり、例えお互いが初対面であっても、素早く確かなチームワークを作り上げるということ、いつもはばらばらに居て、自分の出番の時に、患者さんの家庭に、それぞれがあちらこちらから出向いて、支援をするという点で、普段から気心や顔を見知った同士が、同じ屋根の下で働いている施設や病院のチームとは違った特徴があります。
チームで支援して、ご本人やご家族が望んでいた「最期は自宅で」を実現することができた心温まる経験をし、在宅での看取りにおけるその役割の大切さを、改めて痛感しています。