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「『適切なケアマネジメント手法』の手引き」は何を目指しているのか

「『適切なケアマネジメント手法』の手引き」(以下「手引き」)が発表され、日本総合研究所(以下日本総研)のユーチューブでその解説を見ることができる。この「手引き」は平成2年度老人保健健康増進等事業として日本総研がまとめたものである。まだ見ていない方は、ネットで日本総研のホームページのユーチューブを見ていただきたい。別に日本総研の宣伝をするつもりはないが、ケアマネジャーとしては「『適切なケアマネジメント手法』の手引き」がいかなるものか知っておくことは必要であろう。厚労省も平成3年8月24日付の事務連絡で「各自治体におかれましては・・・・ケアマネジメントの質の向上に向けた取り組みを一層進めていただきますよう・・・」とあるから、今後この「手引き」を使用した取り組みが行われる地域もでてくることが考えられる。

この「手引き」によれば「『適切なケアマネジメント手法』は、要介護高齢者本人と家族の生活の継続を支えるために、各職域で培われた知見に基づいて想定される支援を体系化し、その必要性や具体化を検討するためのアセスメント/モニタリングの項目を整理したものです」と説明している。その構成は「基本的ケア」と「疾患別ケア」からなっており、「疾患別ケア」では「脳血管疾患のある方のケア」「大腿骨頸部骨折のある方のケア」「心疾患のある方のケア」「認知症のある方のケア」が示されている。この辺が、かってICFが批判した「医学モデル」への回帰ではないか、と批判されるところであろう。

これ以上のこの「手引き」の解説は私の任ではないのでやめて、この「手引き」が今後ケアマネジメントの現場でどのような意味を持つものになるのか私なりに考えてみたい。

厚労省の事務連絡でも述べているように、今後保険者や地域包括支援センターが実施する研修や地域ケア会議やケアカンファレンス、保険者が行うケアプラン点検の際にこの「手引き」が用いられことが考えられる。

ケアプランセンターあすかでも「基本ケア」を用いて、それぞれのアセスメントを自己点検してみた。その結果、アセスメントで抜けていたり不自由分だった部分を見つけることができた。この点では「手引き」の中でもその意義として言われている「「支援内容やアセスメント項目の『抜け漏れ』を防ぐ」という点では一定の効果が期待できると考えられた。ただしこの「手引き」で示された項目の妥当性については、実践の中で再評価される必要があると思われた。

ただ懸念されるのは、この「手引き」が「ケアプランの標準化」につながりっていくのではないかという危惧である。この点では「決して『ケアプランの標準化』ではありません」と「手引き」の中でも記されているが、一方でAIを使ったケアプラン作成といった流れがある中で気になることではある。

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