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歩行器等の福祉用具は貸与から販売に?

 介護保険で福祉用具利用の場合、貸与(レンタル)と販売の二つがある。この中で、現在貸与で行われている歩行補助杖、歩行器、手すりを販売に変更しようという検討が行われている。2月17日、3月31日と「介護保険制度における福祉用具貸与・販売種目の在り方検討会」が開催され検討が行われている。

 もともとこれは財政制度等審議会が「歩行補助杖、歩行器、手すりは貸与ではなく販売にして、ケアマネジメントの費用を抑制」すること、「福祉用具貸与のみのケアプランの報酬の引き下げ」を求めたことに始まる。

 まず第一に、これらの福祉用具を販売とすることによる問題点を検討してみよう。貸与(レンタル)のいいところは身体状況の変化や使ってみて変更が可能であるという点にある。退院時に使 っていた杖や歩行器が、その後のリハビリによる身体機能の改善で別のものに変更することができる。特に歩行器は実際に使ってみて調整をしながら必要に応じて別の歩行器に変えてみることがよくある。こうした変更は販売でいったん買ってしまうと難しくなる。

さらに貸与の場合は継続してケアマネジャーや福祉用具専門員が継続してかかわることとなるが、販売となるとこの継続的な関わりが難しくなる。例えば、サービス利用は歩行補助杖だけの場合でも、家族が介護しており家族への支援等ケアマネジャーは継続的にかかわることが必要なケースは多くある。

 確かに高齢者の中では、貸与ではなく買い取りたいという意見を持つ人もいる。だとするなら、これらの福祉用具を利用する際に、貸与にするか、それとも販売にするか選択制にするということは考えられる。

 

 次に、「福祉用具貸与のみのケアプランの報酬の引き下げ」という意見に対しては、これは現場のケアマネジメントの実際を知らない暴論だと言える。ケアマネジャーは決してサービスの管理のみをしているのではない。プランには表れない本人の支援や家族との調整、インフォーマルな支援、医療サービスとの調整等を行っている。利用している介護保険サービスの数でケアマネジメントを評価する誤りは、過去に介護支援費をサービスの種類数で差別化したが、現実的でないということで撤回されたことからも明らかである。

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