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高齢者にとって悩ましい7月

7月は高齢者にとって悩ましい月であるようだ。行政機関からいろんな書類が送られてくる。その一つが「後期高齢者医療被保険者証」である。この被保険者証は通常2年に1回新しいものが届けられるのであるが、今年は少し様相が違う。送られてきた被保険者証の有効期間が令和4年9月30日までとなっている。これは令和4年10月以降、法改正により一定以上の所得がある方は2割の自己負担となることに伴う対応とのこと。なんともややこしい。今まで1割負担の人が2割負担となると支払う医療費は倍となるので、該当する高齢者にとっては頭の痛い話である。これから届く被健康保険証の「一部負担金の割合」の箇所に、ご自身の負担割合が記載されているので注意が必要である。
  今回の改正の経過措置として次のような対応が可能になるのでケアマネジャーは理解しておく必要がある。2割負担となる方は、施行後3年間は、1か月の外来等の窓口の自己負担増加額が、最大3,000円まで。同一医療機関の場合は、上限額以上を窓口で支払わなくてよい。同一でない場合は、超過分については、事前に登録された「高額療養費」の口座に返金される。

 次に届くのが「介護保険負担割合証」である。これは介護サービスを利用するときに、高齢者が負担する割合を確認するための証である。負担割合は所得に応じて、1割~3割負担までがある。毎年、8月から翌年7月までが負担割合証の適用期間となり、前年中の収入額等をもとに割合が決まる。多くの人は年金収入のため負担割合が変わることは少ないが、前年に特別の収入があったりすると、去年まで1割負担の人が急に2割になったりすることもある。時にこの証の確認を怠ったサービス提供事業所が後であわてるといったこともある。中には、「知らなかったのはケアマネジャーが教えてくれなかったから」と言ってケアマネジャーに苦情を言う事業所もあるが、これは筋違いで、あくまでサービスを提供する事業者は被保険者証等を確認する義務があることを申し上げておくが、ケアマネジャーとしても、7月はこの証を確認する作業が求められる。

 さらに施設に入所している高齢者の場合、介護保険負担限度額認定証というものもある。これは先の二つの証が勝手に送られてくるのと違い、高齢者や家族が毎年申請する必要がある。この介護保険負担限度額認定証を提出することで介護保険施設を利用する際の居住費及び食費を軽減することのできるものであり、この制度の対象者のみに交付される。すでに施設に入居し、この制度の対象者となっている方には、毎年申請書類が送付されてくるので必ず手続きが必要となる。

7月にはそんな書類が届いたり、手続きが必要となるが、多くの高齢者にとってそれを理解し適切な手続きを行うことは大変難しい作業になる。ましてや認知症のある方の場合、ケアマネジャーにとって届いているであろうそれらの証を確認することが一仕事になる。多分大切なものであろうと考えた高齢者はしまった場所覚えていないことが多いのである。

7月は高齢者にとってもケアマネジャーにとっても悩ましい月である。

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