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ケアマネのつぶやき

高齢者につらいごみ出し 

 起居移動に支障がでてきた高齢者となって最初に大変になることの一つにゴミ出しがある。一人で歩くのでさえやっとの高齢者が、荷物をもってごみステーションまではとても大変な仕事になる。

同時に、国民生活基礎調査によれば、高齢者世帯の世帯構造は、「単独世帯」が 873 万世帯(高齢者世帯の 51.6%)、「夫婦のみの世帯」が 756 万 2 千世帯(同 44.7%)となっており、要介護状態となったとたんにゴミ出し等の生活を支える支援は不可欠となっている。

こうした高齢社会が進む中で、国も高齢者のゴミ出し支援の制度を打ち出し、多くの地方自治体でも具体的な支援が実施されている。総務省は19年から、自治体のごみ出し支援の経費の半分を手当てする。環境省も21年に自治体向けに支援の手引を作成した。支援を導入する自治体は18年度の23.5%から20年度は34.8%に拡大している。

全国では様々な形での高齢者のゴミ出し支援が行われているが、地方自治体の職員が前もって申請している利用者宅の玄関先から回収するという、自治体直営で行うパターがある。また自治体から一般廃棄物収集運搬収集業者に委託している自治体もある。こうした方式は横浜市や大阪市といった人口規模の大きい自治体で実施されている。

上記の自治体直営方式とは異なる、コミュニティ支援型ともいわれる、町内自治会、老人クラブ、PTA、地域団体などの非営利活動団体に補助金を交付してそれぞれの団体の協力員によるごみ出し支援を行っている自治体がある。ただし、こうした方式は地域の担い手不足により困難になっているとも言われている。

 また、介護保険のヘルパーさんによるゴミ出しの支援が行われている現実もある。しかし、多くの地域のゴミ出しは「指定された収集日の朝に、決められた集積所に、朝の8時までに出してください」といった決まりがあり、その時間にヘルパーが訪問してゴミ出しをすることが難しい場合や、ヘルパーによる生活支援は20分以上からの算定になるのでゴミ出しだけではそうしたサービスは提供しにくいという問題もある。ヘルパーの好意で持ち帰って出すということもあるようであるが、これはあくまでヘルパーの好意であって、すべてのヘルパーが行うところではない。  いずれにしても「住み慣れた地域で暮らし続ける」ために高齢者のゴミ出しの支援は不可欠な課題ではある。介護保険のヘルパーさん任せにせず、地方自治体が責任をもって生活のベースを支えていくことが必要であると考える。

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