ヘルパー不足に悲鳴
ヘルパーさんの人材難が全国で大問題となっています。この地域はさらに一層深刻で、今働くヘルパーさんの多くは高齢化し、募集しても応募者のいない現実から、ヘルパーさんの必死の頑張りでなんとか高齢者の生活が支えられています。
そのヘルパーさんの一日をヘルパー会社の協力を得て報告し、ともに考えたいと思います。
ヘルパーさんは女性、40歳代、就職して6年目です。
毎朝6時40分、自宅から車を走らせ7時から業務開始。待っている高齢女性Aさんは要介護5、一人暮らし、ケアプランは身体1、生活2、おむつ交換、洗面、更衣、朝食準備、配膳、服薬と食事見守り、片付け、その間に洗濯機。これが毎日の仕事です。1時間半では追い付かず時計を気にしつつ次の訪問先へ車で向かう。
Bさんは男性、要介護4。一人暮らし、9時から10時半まで、ポータブルトイレの後始末から失禁後の清拭、更衣、朝食準備、配膳し家事の合間に洗濯と掃除する。
Cさん宅は11時半から午後1時まで、男性、要介護1、一人暮らし、不安感の強いCさんに語り掛け共に台所に立ち、昼食、服薬を横目にスーパーへ車で向かう。急ぎ戻り、片付けして辞す。次の訪問先まで移動、20分強、自分の昼食はいつもこの時間に車の中のおにぎりで済ます。
Dさん宅は1時半から、女性、要介護4、昼間は勤める息子夫婦と暮らしている、お湯を張り、更衣準備し浴槽出入りから洗身までのすべての入浴行為を介助する。転倒に最大の注意をはらい、終了は2時半
15時、訪問するAさんは今日2回目、今朝の訪問時と変わりが無いか、見定めながら夕食準備、服薬と食事を見守って後片付け、ベットメーキング、戸締り確認して「さようなら」は4時半近い。
これが、ヘルパーさんのお勤めの実際です。一日の訪問先は5軒から6軒は、特別ではなく、これだけ頑張ってもらい、なんとかと回していると、どの会社でも伺いました、
こんなこともヘルパーさんに聞きました。一言で「入浴介助」と言いますがそこには次のような手順、配慮が行われているのです。参考までにご紹介します。
- 浴槽にお湯を張る
- 床に滑り止めシーツを敷き
- 浴室をシャワ―で温め椅子を用意。
- 脱衣場を温める
- ご本人をベットから浴室へ移動介助
- 脱衣介助
- シャワ―を心臓に遠い箇所から全身へ、転倒予防に全神経を
- 手すりを持たせゆっくりと湯船へつかる
- 体が温まったら湯船から出る
- 洗髪、洗身
- 再び浴槽へゆっくり浸かって、出る介助
- 椅子に腰かけタオルで全身を拭う
- 着衣介助、ドライヤーで髪乾燥
- 水分補給を忘れない。
一日に複数回の訪問は、一事業者では担いきれなくなっています。朝・昼・晩、最高4事業者のヘルパーが関わるケースもあります、
すでに、必要なヘルパーは十分に利用できなくなってきているのです。ケアプランを立てられぬケアマネジャも、派遣するヘルパー会社も、ヘルパー不足に悲鳴です。