指定介護予防支援事業の開始にあたり
8月1日よりケアプランセンターあすかは指定介護予防支援事業所となり、要支援の方を対象として介護予防支援を行うことになった。これは今年の4月の介護保険法の改定に伴い、居宅介護支援事業所も地域包括支援センターからの委託ではなく、直接利用者と契約して介護予防支援を行うことできることになったことにもとづく、あすかの対応である。
この問題に関してはかねてからあすかとして、要支援と要介護のケアマネジメント機関が異なるのはケアマネジメントの継続性という点で問題があると指摘してきた。この点で過去の「ケアマネジャーのつぶやき」に述べた部分を再掲しておく。
「高齢者は、今が要支援状態にあり、介護予防という支援が必要な段階にあったとしても、その先にあるのは、加齢に伴う心身機能の低下した状態、つまり要介護状態に移行していかざるを得ないというのは自然の摂理である。したがって継続したケアマネジメントという視点から考えると、要介護者に対する介護給付のケアマネジメントと要支援者に対する介護予防ケアマネジメントの分断は大きな問題であるといえる。」
こうした立場から介護予防支援事業所としての指定を受けることとした。ところがいざ始めてみるとその制度の複雑さにより戸惑うことが多く、関係機関の皆様にもご迷惑をおかけすることになったのではと考えてしまう。ここで詳しくその複雑な仕組みを述べることは避けるが、ここ20年余りの制度改定の度に複雑化してきた介護保険制度は、1ヵ所をいじるとアチコチにひびが入るといったまるでモザイク模様のような仕組みになっているのだ。ややノスタルジックな表現になるが、介護保険の始まったころの単純な仕組みが懐かしく思われる。同時にこの20年余りたって介護保険制度は果たしてよくなったのか、むしろ利用者やケアマネジャーにとって複雑で使いにくいものになっているように思われて仕方ない。