東紀州くろしお学園高等部設置をめぐっての思いで
熊野市井戸町 鈴木美文
金山町に設置された「特別支援学校東紀州くろしお学園」
―小中学部が有馬小学校に、高等部が木本小学校にと離れて設置されていたことで、平成11年に「養護学校東紀州くろしお学園」(特別支援学校東紀州くろしお学園と改名)が新設されました―
昭和63年に有馬小学校に小中学部が新設されてから保護者の要望で5年後に木本小学校に高等部が設置されました。しかし、この高等学部の設置につきましては、3つの難題を乗り越えなければなりませんでした。
1つは、三重県教育委員会の説得です。
これには、紀南県民局の元和手甚明局長さんのご尽力が必要でした。県教育委員会は「有馬小学校に空き教室を貸与できない理由の説明をせよ」と迫ったのです。当時、中の茶屋(現在のおおくわ)から釜の平までが大阪木材の材木置き場になっていましたが、その用地が宅地として売り出す気配があったのです。もう一つは、奥有馬の佃に団地が新築されるということから、熊野市は、今後小学校児童の増加が見込まれるので,「有馬小学校の空き教室は貸与できない。木本小学校であればどうぞ」ということを説明したところ、県教委の課長・課長補佐を集合させていた宮本三重県教育長さんは、その場で即決し、予算も示してくれました。
2つは、高等部という高年齢の生徒が来ることで、幼稚園、小学校の保護者が心配したことです。
この説得には、地元出身の速水信也教頭先生と喜田一良校長先生のご尽力が必要でした。かなりの時間を要しましたが、保護者や地域の方々の理解と協力により、木本小学校に高等部の設置が可能になりました。
3つは、2教室を1階に確保することです。
これは、熊野市の西地茂樹市長さんと畑中幹弘教育長さんのご尽力が必要でした。職員室を2階に、幼稚園を横に移動させるための補正予算を組んでいただき、先生方の協力の元で、実現していただきました。この3つの難関を解決することで1階に2教室を確保して、県教育委員会の高等部の新設が木本小学校に実現したのでした。
大勢の皆々様の多大の御理解と御協力に心から感謝申し上げます。
10月10日には、ご尽力いただいた数人の方で、新設を喜び合い、学園の田岡教頭先生のご案内で見学させて頂きました。