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ケアマネのつぶやき

悩ましきもの、それは家族

 ケアマネジャーをやっていると、利用者の支援について悩むことが多々ある。その一つが家族の問題である。

家族が、かってのように機能しなくなっている現実にもかかわらず、「老いた親の面倒は子供がみる」「介護をするのは嫁のしごと」という意識は親子ともに根強く残っている。 また、「老いては子に従え」と自分の意思を飲み込んでしまう高齢者も少なくない。「日本の美風」という家族主義の幻想と現実のはざまで、介護問題に直面した家族は揺れ動く。

困るのは、介護する子供たちと、介護される高齢者の意向が違う場面である。施設に入れたいという子供と、自宅で暮らし続けたいという老親。そんな時ケアマネジャーは両者の間に入り苦悩する。

上野千鶴子は、「家族、援助者のニーズは、当事者ニーズにともなっては派生する二次的なニーズであり・・・当事者ニーズとは区別されなければならない。」「要介護者とその家族とを概念的に区別できない『利用者概念』には問題が多い」というが、先にあげた家族主義の残渣にまみれた現実はそんなにすっきりとは割り切れない。

 それぞれの家族にはそれまでの長い歴史がある。成人とともに子供たちは新たな家族を形成し独立していった。ところが老親の介護という新たな問題に直面した家族は、いやおうなく再び向かい合い、お互いを理解するために話し合いをはじめ、新しい関係性をつくることを求められているように思われる。うまく新しい関係性を自分たちで調整できる家族は問題ないが、でもそれがなかなか難しい作業となってしまう家族もある。

そんな時、ケアマネジャーには何ができるのであろうか。

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