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ケアマネのつぶやき

介護保険請求業務の無駄

  介護保険では、居宅介護支援事業所とサービス提供事業所の間でやり取りする、請求に係る事務に要する時間と紙の量は膨大なものになっている。何とかこの事務を省略できないかと検討されてはいるがなかなかうまくいかない。なぜならそれぞれの事業所が使用している介護ソフトがみな違うので、デジタルで情報を共有することができないのである。そのためいちいち紙にプリントアウトしファックスでやり取りするというという面倒な仕事をやり続けている。これは請求事務だけでなく、利用者等に係る情報も同じことである。厚労省は、居宅介護支援事業所とサービス提供事業所間での使用する介護ソフトが違ってもそのシステムを標準化することで、いちいち紙に出さなくてもネット等を通じてこの情報をやり取りできるようにすると言っているが、いまだに標準化するシステムは日の目を見るに至っていない。

 こんな中で、ずいぶん無駄な仕事の仕方をしている部分もある。居宅介護支援事業所は、まず翌月の提供票(介護サービス利用計画)をサービス事業所に届ける。そして、その月のサービス提供が終了した翌月、サービス事業所はその月の実績を居宅介護支援事業所に届けることになる。それに基づいて居宅支援事業所は給付管理票を作成し国保連合会に提出するという流れになっている。これによってサービス事業所には報酬が支払はれることになる。

 本来ならこれでことはすむのであるが、サービス事業所の中には実績に基づいて作成(修正)した提供票を再度送ってくれという事業所がある。しかし、もともと給付管理というのは当初の計画単位数で行うものである。ただし当初の計画単位数を超えるものについては、実績に基づいて修正して給付管理を行うこととなっている。これについては次のQ&Aをご参照願いたい。

Q「給付管理票」の「給付計画単位数」欄、「給付計画日数」欄には、当初の「計画」を記載するのか、それとも月末時点での実績を記載するのか。A居宅サービス計画は、サービス実施月間での適切な上限管理や利用者の希望や心身状況の変化によって生じる変更作成も含め完遂されるものであるから、当初の「サービス利用票」に記載された事業所ごと、サービス種類ごとの給付計画単位数を上回るような場合等には、必要な変更を加えた上で、「サービス利用票」等の再作成が必要であり、その際作成後の「計画」を記載することになるが、再作成が必要でない場合(例えば、週4回訪問介護を予定していたが、そのうちの1回がキャンセルとなって、その分を他の事業所のサービスに振り返ることをしなかった等、給付管理票の事業所ごとの上限管理に影響がない場合)は、当初の「計画」を記載することになる。具体的には、居宅介護支援事業者が控えとして所持する「サービス利用票別表(写)」から、訪問サービス区分については、事業所、サービス種類ごとの集計行の「区分支給限度基準内単位数」を、転記することとなる。(12.4.28事務連絡 介護保険最新情報vol.71介護報酬等に係るQ&A vol.2)

介護保険の請求等に係る事務はなるべく最小限にしたいという願いは、大多数の介護に係る事業の願いである。厚労省のベンダーの違いを超えたシステムの標準化が一日も早く実現することを願うのであるが、同時に、こうした無駄な仕事については、お互いの信頼と協力で止めたいものだと思う。

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