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ケアマネのつぶやき

物価の高騰は介護現場にも

 7月の消費者物価指数は前年からの上昇幅が2・4%と前月からさらに拡大した。電気、ガス代や食料品の高騰が続き、家計への影響は大きい。さらにこの秋以降も物価の高騰は続きそうだと言われている。

10月からは介護保険の利用料を決める介護報酬が一部改定される予定だ。これによって利用料も上がることになる。これは岸田首相の「介護職員の賃金を9,000円引き上げる」という一声で始まったものが、これまではその財源が公費で行われてきたものが、10月からは介護職員の処遇改善加算という介護報酬の中に組み入れられることによるものである。

介護保険では入浴や排せつに関する福祉用具の購入に対して9割が支給される。ポータブルトイレやお風呂で使用する椅子などであるが、これらの品目もこの10月から値上げが予定されていると言われている。住宅改修で手すりを設置する際の金具も値上げが予定されている。さらに介護現場では不可欠なオムツ類も例外ではない。

こうした物価の高騰にも関わらず、多くの高齢者の収入は公的年金に依存している。2022年4月から年金は0.4%引き下げられた。主な収入源である年金額が下がる一方で、食費や光熱費などの生活費が上がり続けることになっているのである。こうした影響から介護サービスの利用控えなどが起こることが心配される。

影響の波は介護事業所にも及んでいる。福祉医療機構の調査によると、「原油価格や物価高騰による影響を受けている」と回答した施設は88.5%に上り、そのうち、2022年度上半期のコストが前年度比で5%以上の増加見込みと回答した施設は48.9%になったとしている。特に影響が大きいと回答のあった項目は、水道光熱費95.6%、車両費(ガソリン代など)と給食費が52.5%となっており、これらはいずれも介護事業所に必要な品目である。

有料老人ホームへの入居の費用も高くなることが予想されている。「全国有料老人ホーム協会」は、ことし4月に加盟する有料老人ホームの事業者に緊急のアンケート調査を行った。その結果45%に当たる58法人が「利用料を引き上げる意向がある」と回答しているという。

 こうした中で、全国老施協・全国老健協会 ・日本認知症グループホーム協会は全国の自治体に対して3団体連名の「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」の活用も含め緊急的な支援を求める要望書を令和4年8月19日付けで送付している。

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