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ケアマネのつぶやき

介護保険が危ない(その3)

―その3 福祉用具の見直しー

 介護保険では各種の福祉用具を貸与(レンタル)で利用することができる。この福祉用具貸与に関して、社会保障審議会介護保険部会に示された資料には次のように記載されている。

「ケアマネジャーは、介護保険サービスをケアプランに入れなければ報酬を受け取れないため、介護報酬算定のため、必要のない福祉用具貸与等によりプランを作成したケアマネジャーが一定数いることが確認されている。」「そこで、歩行補助杖などの廉価な福祉用具については、保険給付による貸与から販売に変えることで、毎月のケアプラン作成等のケアマネジメ ントの費用を不要とすることが考えられる」

「ケアマネジャーは、介護保険サービスをケアプランに入れなければ報酬を受け取れない」ということは事実である。そこで必要もない福祉用具を貸与しているケアマネジャーがいるかどうかは知らないが、上記の指摘は現場のケアマネジャーから見ると全く違った問題状況が見えてくる。

ケアマネジャーは介護保険サービスの調整、計画をしているだけではない。ケアマネジャーには様々な相談が寄せられる。身体の健康や医療に対する相談であることもある。施設に入りたいという話、生活の大変さや、時としては介護をめぐって家族の意見の対立の調整にあたらなければならないことさえある。こんな相談にのったり、必要な機関に繫いで問題の解決に尽力したりすることもある。こうした場合でも介護サービスが利用されないとこうしたケアマネジャーの働きは全くのタダ働きということになる。こうしたケアマネジャーの評価されない仕事(ただ働き)こそ問題とされなければならないと考える。そんなケアマネジャーが、何か介護保険サービスの一つでも利用してもらえれば、と思ったとしてもこれは決して不思議なことではない。

「廉価な福祉用具については、保険給付による貸与から販売に変える」ということに対しては以前の「ケアマネのつぶやき」※1でふれたのでここではそれを再録しておく。

「まず第一に、これらの福祉用具を販売とすることによる問題点を検討してみよう。貸与(レンタル)のいいところは身体状況の変化や使ってみて変更が可能であるという点にある。退院時に使っていた杖や歩行器が、その後のリハビリによる身体機能の改善で別のものに変更することができる。特に歩行器は実際に使ってみて調整をしながら必要に応じて別の歩行器に変えてみることがよくある。こうした変更は販売でいったん買ってしまうと難しくなる。さらに、貸与の場合は継続してケアマネジャーや福祉用具専門員が継続してかかわることとなるが、販売となるとこの継続的な関わりが難しくなる。例えば、サービス利用は歩行補助杖だけの場合でも、家族が介護しており家族への支援等ケアマネジャーは継続的にかかわることが必要なケースは多くある。 確かに高齢者の中では、貸与ではなく買い取りたいという意見を持つ人もいる。だとするなら、これらの福祉用具を利用する際に、貸与にするか、それとも販売にするか選択制にするということは考えられる。」

※1 2022-04-15ケアマネのつぶやき

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