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活動報告

蟷螂之斧(とうろうのおの)

蟷螂之斧(とうろうのおの)という諺があります。「蟷螂」とはカマキリのことで、「斧」はずばりカマキリの前足のことを意味します。カマキリは相手の身体がどんなに大きくても前足を振り上げて威嚇し、ときには襲い掛かることから、勇敢な姿勢と身の程知らずなこと両方を指すときに用いられるようです。

由来は中国の故事を記した「韓詩外伝」の中の「蟷螂之斧」という一節だと言われています。斉の君主であった荘公は、馬車の車輪に切りかかる蟷螂を見て馬車の進路を変えさせたという故事から、強大な相手にも勇気をもって挑む姿をカマキリノに見たのです。

この蟷螂之斧を思い起こさせたのが、昨年の、世界的な環境破壊に取り組んでいるスウェーデンの少女グレタ・トゥーンベリさんの活躍でした。

2018年8月、15歳の時に、「気候のための学校ストライキ」という看板を掲げて一人で議会前での座り込みを始めました。他の学生も自分のコミュニティで同様の抗議活動に参加し、「未来のための金曜日(Friday for Future)」の名前で気候変動学校スト(School Climate Strike)運動を始めました。トゥーンベリさんが2018年の国連気候変動会議で演説した後、学生ストライキは毎週世界のどこかで行われるようになり、2019年には、100万人以上の学生が「私達の未来を奪うな」と温暖化防止を訴えるまでにその運動は世界に広がっていったのです。たった一人で学校をストライキを始めた少女グレタ・トゥーンベリさんの訴えは、世界の若者の心をとらえ大きな運動のうねりを作り出していったのです。

12月に開かれた国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(CPO25)でグレタさんは「最大の脅威は不作為ではない。真の脅威は、政治家や企業CEOが何もしないでいて、しているように見せかけていることだ」と断じています。ちょうど同じ会場で日本の環境政策を発表した日本の小泉信次郎環境相が、石炭火力に固執し気候変動対策に後ろ向きな発言しかできずに各国から批判を受けたのとは対照的な出来事でした。

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